よくあるご質問
製品の選定・導入(購買担当者向け)
漏電ブレーカーとの違いは?
漏電ブレーカーは事故が起きてから電源を遮断しますが、絶縁監視装置は事故が起きる前の異常を検知します。設備を止めることなく監視を続け、トラブルの予兆をお知らせするため、計画的なメンテナンスが可能になります。
製品ラインナップが多い理由は?
日本で一般的な電圧差分方式について
国際規格IECでは、同時絶縁低下を検出できない装置は絶縁監視装置として認められていません。日本で一般的な電圧差分方式の一部は、結露や水の侵入、経年劣化による同時絶縁低下を検出できない場合があります。安全性を確保するため、国際規格に準拠した測定方式をお勧めします。
絶縁監視装置とは何ですか?
絶縁監視装置とは、非接地配線方式の回路での電路と対地間の絶縁抵抗を測定監視する装置です。
日本で一般的な変圧器中性点を接地しているような接地配線方式で、地絡電流、漏電電流を監視しているものは、絶縁監視装置ではありません。それは、地絡・漏れ電流モニターと呼ばれるものです。両者は全くの別物です。
日本では、絶縁監視装置と漏れ電流モニターを混同されている可能性が高いです。
Bender社製は、どのように絶縁抵抗を測定しているのですか?
Bender社は独自のAMP方式(特許取得)を採用しています。測定用の信号を回路に注入し、その反応を解析することで、電圧変動や周波数変動の影響を受けずに正確な測定が可能です。インバータやDC回路、太陽光発電など、従来の方式では測定が難しかった環境でも使用できます。Bender社は80年間、絶縁監視に特化して開発を続けてきた専門メーカーです。
どんな業種で使われていますか?
プラント、船舶、鉄道、太陽光発電、風力発電、EV充電器など、幅広い業種で採用されています。世界では戦艦、潜水艦、病院など、高い信頼性が求められる現場でも使用されています。
日本の規格について
日本では船舶と病院を除き、絶縁監視装置の明確な規格がありません。一方、国際規格IEC61557-8では厳格な要求事項が定められており、これに準拠しない製品は絶縁監視装置と名乗ることができません。
規格対応について
Bender製品はIEC 61557-8(国際規格)に完全準拠しており、世界で最も厳しい基準をクリアしています。日本のJISには詳細な要求事項がないため、国際規格準拠品をお選びいただくことが安全性確保の最善策です。製品によってはUL規格や船級認証も取得しています。
配線方式の違いとメリット・デメリットを教えてください。
【非接地配線方式(ITシステム)】
電源を大地から電気的に浮かせた状態で運用します。
メリット:
・1箇所で地絡が発生しても直ちに停電しない
・電源供給の継続性が高い
・感電・火災リスクが低い
・病院や重要設備に最適
デメリット:
・絶縁監視装置が必須
・設計・導入コストが高くなりやすい
【接地配線方式】
電源の一部を大地に接続する一般的な方式です。
メリット:
・構成がシンプル
・設備コストが低い
・保守が容易
デメリット:
・地絡発生時は即座に運転停止
・停電の影響を受けやすい
対象地絡(三相地絡)は検出できますか?
はい、検出できます。これがAMP測定方式の最大のメリットの一つです。Bender社は対地電圧の偏りを見ているのではなく、測定パルスを注入して返ってくる反応を見ているため、両側が同時に地絡しても正確な抵抗値を出せます。※この対象地絡を検出できないものは、IECにおいては絶縁監視装置と称してはならないと規定されています。
絶縁監視装置が出す測定信号(パルス)が、他の設備のセンサーや制御信号にノイズとして悪影響を与えませんか?
影響は極めて低いです。Benderの測定信号は微弱な電流(mAオーダー)であり、周波数も非常に低い(または可変)ため、一般的な制御信号とは帯域が異なります。ただし、超高感度な実験装置などの場合は、念のため実機検証をお勧めします。
他社製品との併用は可能ですか?
他社製品との同時使用はできません。測定信号が干渉してしまうため、既存の装置を撤去していただくか、切り替えスイッチで同時に動作しないようにする必要があります。
接地検出灯(3ランプ方式)と一緒に使えますか?
併用できません。接地検出灯の内部抵抗を絶縁監視装置が「絶縁不良」として検知してしまうため、Bender製品を導入される場合は検出灯を撤去していただく必要があります。
防爆エリア(可燃性ガスがある場所)で使えますか?
本体を防爆エリア内に直接設置することはできませんが、以下の方法で対応可能です:
・本質安全防爆バリア等の周辺機器と組み合わせる
・IMD本体を安全な場所に設置し、配線のみを防爆エリアに引き込む
具体的なゾーン区分(Zone 1, 2など)をお教えいただければ、最適な方法をご提案いたします。
EV充電器で使う場合の監視タイミングは?
規格(CHAdeMOやCCS)によって異なりますが、基本的には充電シーケンスに合わせて動作します。充電していない時は充電器内部を監視し、コネクタ接続時は車側の監視機能と連携(あるいは片方を停止)するような制御が必要になる場合があります。
納期について
商品によって異なりますが、概ね2〜3ヶ月程度です。世界情勢により変動する場合がありますので、お急ぎの場合はお気軽にお問い合わせください。
短納期対応は可能ですか?
製品によっては短納期での納入が可能な場合もございます。まずはお気軽にご相談ください。
価格について
商品によって価格が異なりますので、無料でお見積りを作成いたします。お気軽にお問い合わせください。
まとめ買い割引はありますか?
はい、同一商品を複数台ご注文いただく場合、台数に応じた割引をご用意しております。詳細はお見積りにてご案内いたします。
製品選定のサポートについて
はい、プロトラッドがサポートいたします。ご使用環境や必要な仕様をお伺いした上で、最適な製品をご提案させていただきます。
トラブル時のサポートについて
プロトラッドが対応いたします。トラブルの状況をお伺いした上で、適切な対応方法をアドバイスさせていただきます。Bender社と直接やり取りしていただく必要はありません。
保証期間について
弊社から発送後1年間が保証期間です。保証期間内であれば、故意の破損を除き新品と交換対応いたします。保証期間外・仕様範囲外の使用による故障は保証対象外となりますのでご注意ください。
技術相談・仕様確認(技術者向け)
Bender社と日本で販売されている絶縁監視装置の違いは?
違いは大きく分けて3つあります。
1.絶縁状態の監視方法
日本製の多くはI0/I0r/Igr方式を採用していますが、Bender社は非接地配線方式にはAMP、接地配線方式にはI0方式を採用しています。
※検出方法の詳細は「絶縁監視装置とは?仕組みや導入目的・4つの方式の違いを解説」をご参照ください。
2.使用できるシチュエーション
■ 非接地配線方式(ITシステム)
〇 AMP方式 / Igr方式
× I0方式 / I0r方式
■ 接地配線方式(TTシステム)
〇 I0方式 / I0r方式 / Igr方式
△ AMP方式(高抵抗接地の場合のみ)
Bender社はITシステム・TTシステムのどちらにも対応できる製品ラインナップを揃えています。
3.DC回路への対応
■ DC回路またはAC/DC回路への対応
× 日本製
〇 Bender社製
現在はDC回路が多用され、回路が複雑化しています。Bender社はそのような回路でも確実に監視できます。
インバータ(VVVF)やサーボアンプが入っている回路でも正確に計測できますか?
インバータ(VVVF)やサーボアンプを含む回路では、スイッチング動作により高周波成分や容量性漏れ電流が常時発生するため、方式によっては正確な計測が困難です。
一般的なI0方式では、これらを漏れ電流として検出し、誤動作や感度低下が起こりやすくなります。一方、I0r方式やIgr方式は容量成分の影響を抑える設計のため、インバータ・サーボ回路を含む系統でも監視可能です。
ただし、I0rやIgr方式はAC回路の監視のみ対応しています。
AC回路だけでなくDC回路やインバータ・サーボ内部の監視も行いたい場合、例えばITシステムならAMP方式、TTシステムならI0方式を採用したBender社の製品が必要です。
対地静電容量(Ce)の制限はありますか?
対地静電容量Ceには、方式や装置仕様によって実質的な制限があります。
一般的なI0方式では、配線長が長い場合やインバータ機器が多い場合にCeが大きくなると、容量性漏れ電流が増加し、誤動作や感度低下を招くことがあります。
I0r方式やIgr方式は容量成分の影響を抑えるため、比較的大きなCeにも対応できますが、無制限ではありません。
最大対地静電容量Cemaxは製品により異なりますが、例えばIgr方式は80µF程度である一方、Bender社の絶縁監視装置は4000µFまで対応可能です。
DC(直流)回路、例えばEV充電器や蓄電池システムにも使えますか?
日本国内で一般に使われている I0方式・I0r方式・Igr方式の絶縁監視装置は、DC(直流)回路への適用は想定されていません。
一方で、Bender社の絶縁監視装置、残留電流モニターはAC回路だけでなくDC回路にも対応している製品が数多くあります。
1つのトランス(変圧器)の2次側に、絶縁監視装置を複数台設置することも可能でしょうか?
原則として、1つのトランス(変圧器)の2次側に絶縁監視装置を複数台設置することはできません。
複数の装置が同一回路に監視信号を重畳すると、相互干渉により誤検出や感度低下が起こり、正確な測定ができなくなります。
特にIgr方式では、接地抵抗や注入信号が重複するため問題が顕著です。
これはBender社の製品も同様ですが、自動切換えにより複数台設置可能なタイプもございます。詳細はお問い合わせください。
警報設定値[kΩ]はいくつに設定すればいいでしょうか?
Bender社では、メインアラームを100Ω/V、プレアラームを300Ω/Vに設定することを推奨しています。ただし、回路電圧や用途によって最適値が異なる場合がありますので、詳しくはご相談ください。
高圧(3300Vや6600V)のモーター回路にも使えますか?
はい、カップリングデバイスを使用することで高圧回路(3300V、6600V等)でもご使用いただけます。用途に応じて複数のタイプをご用意していますので、詳しくはカタログまたはお問い合わせください。
停電中(回路の電源が落ちている時)も絶縁監視できますか?
はい、可能です(オフライン監視機能)。外部から制御電源を供給することで、負荷が停止している間もケーブルやモーターの絶縁状態を監視できます。これはBender製品の大きな特長の一つです。詳しくはお問い合わせください。
監視データをPLCや中央監視室に送れますか?通信プロトコルは何ですか?
はい、可能です。Modbus TCP/RTUなど一般的な産業用プロトコルに対応しており、PLCや中央監視室へデータを送信できます。
盤の扉を開けずに数値を見たいのですが、外付けの表示器はありますか?
あります。リモートパネル(表示器)を盤表面に取り付け、LANケーブル等で本体と繋ぐだけで、手元で抵抗値確認やリセット操作が可能です。
絶縁監視装置は、ZCT(零相変流器)を使う方式と何が違うのですか?
決定的な違いは「DC成分の漏れ」と「活線状態での正確な抵抗値測定」です。ZCT方式は電流[A]を見ますが、Bender社の絶縁監視装置は絶縁抵抗[Ω]を直接測定します。これにより、ケーブルが太く対地静電容量が大きくても、電流値に惑わされず「真の絶縁低下」だけを検知できます。
地絡してから警報が出るまでの応答時間はどのくらいですか?
設定によりますが、数秒〜数十秒かかります。
絶縁抵抗の測定は継電器というよりアナライザーに近く、様々な電気パラメータを解析・算出するため、誤動作を防ぐために時間をかけて正確に測定しています。
絶縁監視装置に短時間検出を求める国際規格(IEC)はありません。
※太陽光発電向けには「30分以内に動作」という規定があります。
病院等で「瞬時の人体保護(感電防止)」が主目的の場合は、医療用絶縁監視装置が必要です。
※ITシステム自体、一度の地絡では感電リスクが低い仕組みです。
校正(キャリブレーション)は必要ですか?頻度は?
基本的に出荷時の精度が長期維持される設計で、メンテナンスフリーです。日常の試験は、起動時や手動で行われる自己診断テストで充分です。品質管理上、製品確認が必要な場合は、有償でBender社へ送付して対応可能です。
地絡の履歴(ログ)は残りますか?いつ発生して、いつ復旧したか知りたいです。
機種によりますが、上位モデル(iso685シリーズなど)は内部メモリに「イベントログ」と「データロガー(抵抗値の推移グラフ)」を記録可能です。PCを繋いでグラフとして取り出せるため、トラブル解析に非常に役立ちます。
設定パラメータを他の端末にコピーできますか?
はい、可能です。通信やNFC(近距離無線通信)を使って、スマホアプリやPCから設定を一括転送できるモデルがあります。量産時の工数を大幅に削減できます。
ソフトウェアバージョンは常に最新版にした方が良いのでしょうか?
最新版のご使用をお勧めします。旧バージョンでも測定は可能ですが、機能改善のため随時更新されています。更新はお客様自身で行っていただきますが、不明な点があればプロトラッドがサポートいたします。
購入後のサポート・修理(共通)
警報が出ましたが、どこで地絡しているか分かりません。どう探せばいいですか?
回路を分割しながら、警報が解除される範囲を特定していきます。分岐回路や盤単位で遮断・投入を繰り返し、地絡区間を絞り込んでいきます。遮断が難しい重要設備では、絶縁低下箇所特定システム(EDS)の導入をお勧めします。活線状態でも絶縁低下箇所を特定できます。
何も異常がないはずなのに、抵抗値がふらつきます。誤動作ですか?
抵抗値の変動は誤動作とは限りません。運転状況の変化、湿度・温度変化、インバータやサーボアンプの影響などで測定値は変動します。継続的に低下する場合は注意が必要ですが、一時的な変動であれば問題ないケースも多いです。トレンドでの監視や警報設定値の見直しが有効です。
漏れキャパシタンスCeが表示されません。
機器の故障でない場合、監視系統の漏れキャパシタンスが小さいことが原因の可能性があります。詳しい状況をお伺いできれば、原因を特定してアドバイスいたします。お気軽にお問い合わせください。
エラーが出ていないが、電圧値や周波数が表示されません。
設定によって表示されない場合があります。どの機器をどのような設定で使用しているのかをお伺いできればと思います。
電源が入らなくなりました。保証の対象になりますか?
まずは弊社へ商品をお送りください。故障前後の状況を詳しくお教えいただけると助かります。Bender社で検査を行い、原因を調査した上で保証対象かどうかを判断いたします(購入後1年以内の場合)。